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胃がん

胃がんについて

胃がんは日本人が発症することが多いがんの1つで、例年13万人程度(男性9万人程度、女性4万人程度)が胃がんを発症し、特に40代後半を超えてから発症しやすくなります。胃がんは、胃の粘膜表面の細胞が何かしらの要因でがん細胞へと変わり増えていくものです。がんは進行していくと胃壁の深くに浸潤し、周辺の臓器(食道、膵臓、大腸)にも浸潤したり、リンパ管や血管を経由してリンパ節、肺、肝臓など他臓器に転移したりします。そのため、なるべく早期に発見し、治療を開始することが肝要です。

胃がんの原因

胃がんの主な原因は、ピロリ菌感染、喫煙、塩分やニトロソ化合物の過剰摂取、野菜や果物の摂取不足などがあげられます。特に多いのはピロリ菌感染で98%がピロリ菌が関与していると言われています。よってピロリ菌の感染を診断し、陽性であれば除菌することは非常に重要です。

胃がんの症状

発症初期の段階ではあまり症状はありません。検診で発見されることが多いです。胃がんは進行すると、上腹部痛、食欲低下、体重減少、貧血・出血、腹満感などの症状が現れることもあります。なお、こうした症状は胃がんだけに見られるものではなく、胃潰瘍や胃炎などでも起こることがありますですので、確定診断には胃カメラ検査が必要になります。

胃がんを発症しやすい方の特徴

50代から患者数が増えてきます。最も多いのはピロリ菌感染によるものです。他に喫煙、食塩の過剰摂取、食品添加物の過剰摂取なども原因となるとされています。50歳以上で喫煙歴のある方、偏った食生活の方は定期的な胃カメラ検査を勧めます。

胃がんの発症を防ぐためには?

ピロリ菌に感染している方は除菌治療を受けることが、胃がんの発症を防ぐうえで、最も大切です。胃がんの発症の98%はピロリ菌感染が関与していると言われています。また塩分の摂り過ぎや喫煙、食品添加物の過剰摂取、β―カロチンの摂取不足なども危険因子とされています。塩分摂取量のコントロール、禁煙、バランスの取れた食生活を心がけましょう。

胃がんの検査

胃カメラと同じ日に行うこともできます胃がんの検査には、胃部X線検査(バリウム検査)や胃内視鏡検査(胃カメラ検査)などがあります。胃部X線検査は造影剤であるバリウムと、胃を膨らませる発泡剤を服用し行う検査です。検診でよく行われる方法です。バリウムを粘膜面に付着させ、粘膜表面の凹凸を見て診断します。医師以外でも検査はできるので、大人数を検査する検診では有用な検査です。組織を調べるなどの確定診断はできないため、異常所見が認められれば精密検査で内視鏡を行います。胃内視鏡検査では、直接観察できるため凹凸のあまりない平坦な病変も確認することが可能です。また疑わしい病変があれば組織検査を行い、確定診断をつけることも可能です。早期の胃がんでは色調変化だけの平坦な病変も少なくありません。近年の内視鏡では視認性を向上させるため、画像強調装置が付随されており、微細な病変を確認することも可能になってきております。早期発見のために定期的な内視鏡検査を勧めます。

胃カメラ検査

胃がんの治療

粘膜にとどまる早期の胃がんでは、がんの種類や範囲にもよりますが、内視鏡での治療が可能です。進行すると、腹腔鏡下手術や開腹手術などの外科的治療を行います。また症例により、化学療法(抗がん剤治療)を術前・術後に併せて行う場合もあります。